トルコキリムとイーネオヤの店 ミフリ＆アクチェ

トルコの絨毯は経糸に結び目をして、手前に引っ張る形で糸が伸びています。それが起毛部分の長さであり、短いと表面の模様がはっきり出て、長いとフカフカした踏み心地になります。
起毛部分の長さは地域や用途により異なります。

ところで、この起毛部分の長さを一定させるためにどのような工夫がされているか、ご存知でしょうか。

トルコには絨毯専用のハサミがあります。
ハルマカスと呼ばれ、直訳すると絨毯ばさみです。

起毛部分の長さを刃の高さを変えることで調整できるようになっています。
ネジを外し、刃の間に厚紙などを挟むことで、起毛部分を短くしたり、長くしたりします。
両手で持ち、絨毯の表面に押し付けるように置き、ハサミの両サイドを捻じるように、切込みます。

不揃いな毛先を揃えると同時に、起毛の長さを一定に切っていけるのです。
慣れるまではうまく切れませんが、コツさえ掴めばとても使いやすい道具です。


需要がある時代には鍛冶屋さんで手作りされ、市販されることもありましたが、現在では職人さんがいなく、特別なものとなっています。古い在庫を探したり、絨毯織りを辞めた人たちから譲ってもらうことで手に入ります。

このハサミは未使用品ですが、年数が経っていることから全体にサビがあります。
刃先の部分には歪みもなくサビもないので、ネジ部分などに油を刺すなど、お手入れをすることで普通に使える状態です。

ドシェメアルトゥ絨毯を織るアイシェが使っているのもこのハサミです。

実際に使ってみたい方、織りの道具の見本として、インテリアとして飾りたい方など、必要としている方はどうぞお見逃しのないようにお願いいたします。


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