本来の庶民のトルコの生活様式が下に敷いた座布団や、幅広の台状の長椅子に座り壁によりかかる形のため、身体が冷えないように背当てにあたるクッションを利用していました。
表を絨毯やキリムで織り、裏をつけて袋状にしたものに、葦の茎などを束ねたものを入れ、形の崩れない背当てとして使用されたのが「ヤストゥック」と呼ばれるものです。
ヤストゥックはトルコ語で「枕」に相当する言葉ですが、クッションなどの意味もあり、これらの伝統的な形の背当てにもその名前を使いました。
今回、ご紹介するのはヤストゥックの表の部分である絨毯です。
日本の玄関マットサイズに適当であることから、「玄関マット」として売られることもありますが、本来は袋状の背当てとして織られたものです。
通常は6〜12枚のセットで織られるものですが、たいていがバラバラになり1点、もしくは2点という形で残されてきました。
年代を経て落ち着いた色合いがとても素敵です。
地の色が異なる部分はアブラジュと言って、織り手の気持ちの変化や、糸を変えることにより遊びを入れたもので、色褪せなどによるものではありません。
トルコでも、私たちが魅力を感じるワビ・サビの世界がこういうところに表現されているのです。
フリンジ部分を含め、お手入れ済みです。
経糸と横糸はウール糸で手織りされたもの。
染めは村で行われた天然染めを含む、独自の色です。
染色や糸質などから1920-30年代の製作だと想像します。
サイズはフリンジ部分を除く本体が98×62cmです。
重量は約1500g。
状態につきましては、目で確認できたことは可能な限り記載しておりますが、見落としがあることがあるかもしれません。
またあくまで古いものだということをご理解の上、お買い求めてくださることをお願いいたします。
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