トルコのトカット県は600年の歴史を持つ、木版プリントの地です。
木版プリントとは、適所で1〜2年乾燥させた菩提樹の木を、特殊な道具を使って手彫りして作った木版にインクを付けて、1つ1つ根気よく布に押すことによって、プリント生地や、ヤズマと呼ばれるスカーフを作る伝統工芸です。
そのデザインとなる木版は古くから伝えられたものから、途中で新しく加えられたもの(と言っても古い埋蔵物のモチーフを参考にしたもの)まで含めて数えきれないほどあるそうです。
それらを必要に応じて、工房の職人さんが型を作っていきますが、その作業自体も、想像以上に力仕事であり、また集中力のいる作業です。
実際に小さな木版を作る作業を見る体験をしましたが、彫るだけでほぼ1日かかっていました。
大きなものだと数日から数週間かかるものもあるそうです。
また型を作るための木材も特殊なものです。
水分を吸収しにくく、なおかつ縦方向に繊維がある、彫りやすいもの。
トカットではその条件に合う樹木として昔から菩提樹を使用してきました。
それも下準備が必要で、伐採した菩提樹の木を風通しのよい、湿度の高くない、直射日光のあたらない場所で2年ほど乾燥させてからでないと使えません。
材料探しが思った以上に難航し、簡単に手に入るものではないので、最近は他の樹や下準備のないものなども使われますが、手間暇かけて彫られるものですので、長く使えるものとしてはやはり2年かけて用意した菩提樹の木が一番だそうです。
そのトカットの工房から分けてもらった木版です。
下準備された菩提樹を使い、
実際に使用する目的で彫られたものです。
制作工房はトカットに残る名匠の一人フセインさんの工房です。
本来売りモノではありませんので市場価格はありません。
そのため、もう一度これを制作したらどれだけの労力になるかを算出してもらって譲り受けたものです。
使用されたもの、未使用のものなどいろいろあります。
お手入れなどはしておりませんので、引き取ったそのままの状態です。
作業としては下準備をした菩提樹の切り口に下絵を手書きし、それに沿って簡易工具でカットします。
細かい箇所は特殊な道具を使い手彫りして、整えます。
さらに周囲の無駄な箇所をノミなどを使い、切り落とし、手持ちの部分を含め、表面を削り均します。
サイズは最大幅と最大高さが約19.5×3.5cmです。
実際にご使用になれるものです。
また装飾などにもお使いください。
状態については目についた範囲で記載しておりますが、見落としがあった場合はご容赦ください。
また商品として製作されたものではなく、個人所有の古いものであることをご理解の上、お買い上げくださるようお願いいたします。
価格に送料は含まれていません。
他の商品と同梱、または複数点数お買い上げになるなど、まとめ買いをされると個々でご注文するより1点あたりの送料が割安になります。